2007.10.30
【今週の一冊】須賀敦子全集第3巻世界の見方
須賀敦子さんは若くしてイタリアへ渡り、そこの男性と結婚しました。その夫の母親からある日、こう言われたそうです。
「ひとりの人を理解するためには、すくなくとも1トンの塩をいっしょに舐めなければだめなのよ」(『須賀敦子全集第3巻』収録「塩1トンの読書」より)
須賀さんはこの言葉から本とのつきあい方を展開していくのですが、これだけでも充分、味わい深いことばです。みんな、友だちとわかりあったり、好きな人のことを思うのを、甘い砂糖や、せいぜい一粒の唐辛子くらいにしか考えていませんか。それでちょっと苦くなると、幻滅したり喧嘩したりしてませんか。塩はそんなに一度に使えません。それが1トンですからね。そんな気が遠くなるような時間と努力への覚悟なしに人のことをわかったつもりになってはいけない、とこの言葉は教えてくれます。
(ハルマサ編集長)
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