お悩み相談室
2007.07.31
先、今週はオトナ週間
本日も、お悩み相談室は仕事の相談にお答えします。学校は退屈なことが多いぶん、よりこの問題に直面しやすいかもしれませんね。
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【質問】
好きだったはずの仕事も最近、飽きてきました。飽きっぽいのはいけませんか。
(K 東京都世田谷区)
【回答】
「まずあきることだ。あきることからすべてがはじまる」とある人が書いていました。仕事だけではありません。友人、恋人や趣味、死ぬほど好きだった音楽、あんなに感動した本、DVDまで揃えるほどはまっていたドラマ、いまどこで何してるのかまで知っていたアイドル、それぞれに飽きる日が来たら、それは新しいはじまりの合図なのです。
飽きることは、見限るという強いニュアンスのケースもありますし、つきあいすぎて距離をとりたいということもあります。好きなお菓子でも毎日だともう見るのもいやになって、全然違うものがほしくなりますよね。でも飽きてどうにかなることは、新しくはじめればいいのですが、飽きても取り替えのきかないこともあります。たとえば仕事です。あるいは介護のような行為は相手がそれを必要としているかぎり、飽きたといってやめるわけにはいきません。ここで昨日の答えのようなガマンを喜びに転化するという方法もありますが、もっと手前で、単調な繰り返しのたのしみというのを発見することをおすすめします。飽きることは素晴らしいことですが、飽きた時に、そもそもその対象に何をもとめていたのか、考えてみませんか。胸のときめき、世界の輝き? でもあなたは生涯、そんな刺激だけを追い求めていくんですか。静かな日々、単調な繰り返しの中にも、どきどきするようなことがありませんか。そんな問いを自分で重ねてみましょう。
そうしていくと、絶対飽きないものを知ることになりはずです。あるいは飽きてはいけないことへのつきあい方がわかってくるはずです。そして、それがあなたにとって大事なものです。その時、飽きることのたいせつさが違ったかたちで見えてくるでしょう。
(ハルマサ編集長)
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今回はずいぶんまじめに答えてしまいました。Kさんには、チェーホフの「退屈な話」(『退屈な話 六号病室』収録)をおすすめしましょう。ある老人の退屈なひとり言です。暗い話なのに、なぜかさわやかな気分になります。今日の答えの参考になるかもしれません。
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お悩み相談室
2007.07.30
オトナからの質問が続いております
またまたオトナからの質問をいただきました。オトナは質問がとても具体的ですね。14歳にも、友だち関係などで参考になる答えだと思いますので、ぜひ読んでみてください。
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【質問】
仕事での交渉相手と相性が悪くてやってられません!
(T 女性 神奈川在住)
【回答】
よくある話です。
社会人という立場で仕事をしている大人の悩みの8割はこれなんじゃないでしょうか。もちろんTさんは答えを知っていますよね。そう、その交渉相手が代替がきかないかぎり、耐えるしか、ガマンするしかないんです。こうなったらガマンしてガマンして、ガマンすることが楽しいくらいの境地に達するのです。お父さんたちはそうしてきたんでしょうからね。勤め人は、しょせん、奴隷です。奴隷はブルースやゴスペルをうたって自分で自分を慰めるしかないんです。日本でカラオケが盛んなのは、そのせいです。あれは南部の黒人たちの教会にあたります。日本の奴隷にはリンカーンもいないし、南北戦争もおこりません。自民党が大負けしても、交渉相手がいいヤツになるということもなさそうです。
(ハルマサ編集長)
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日本のブルース、それは歌謡曲です。その代表、美空ひばりの生涯はある奴隷の一生といってもよいものです。竹中労の名著『美空ひばり』を読みながら、今晩も絶唱しましょう、Tさん。
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お悩み相談室
2007.07.27
初の連続登場
一回前のエントリに登場された質問者から、またお悩みが届きました。29歳とのことですが、大人でも、悩みはつきないようです。
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【質問】
また質問です。
最近、添加物がはいっている食品がこわくて何も食べられなくなりそうです。
どうしたらいいですか。
(アキコ 29歳)
【回答】
アキコさんは悩みが多いんですね。しかも前はタバコをすいつづけいるための話で、今度は添加物ですか。あのあとで、自分の健康が大事な小心者に様変わりしてしまったんですね。がっかりです。
でも質問には答えましょう。これに対することわざに学ぶのです。
「毒をもって毒を制す」です。
添加物の毒なんて、消し去るような毒々しい人間になりましょう。毒々しい人ほど長生きするのは、そうしているからじゃないでしょうか。科学的根拠? 知ったことじゃありません。それより、あんた、タバコは・・・
あ、答えも毒々しくなりそうですので、今日はこのへんで。
(ハルマサ編集長)
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悩みの多いアキコさん、サガンの『悲しみよ、こんにちは』を読んで、美しい悩み方を学んではいかがでしょう。
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お悩み相談室
2007.07.25
20歳になったら
いまの日本では、20歳になったらできること、というものがたくさんあります。成人の年齢と設定されているからですね。選挙の投票、お酒、そしてたばこ。今日はたばこをのみはじめてしまったがゆえの大人の悩みです。
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【質問】
たばこを吸ってます。嫌煙家はいやな顔をして、私を問い詰めます。
どうやり返したらいいですか。
(アキコ 29歳)
【回答】
本当にたばこの煙が苦手という人がいます。そういう人の前では無条件にたばこ禁止ということは前提です。往々にして強烈な嫌煙家はかつて愛煙家です。左翼が保守派に転向すると、もともとの保守派より強烈な左翼ぎらいになります。それにちょっと似ています。つまりそういう嫌煙家は愛煙家の何もかも知り尽くしている上で、たばこの有害性について理論をかためているのです。そういう人たちとわたりあうのは覚悟がいります。というか覚悟を見せつけるしか勝ち目はありません。まずたばこが害になることを認めます。早く死ぬためにたばこを吸っていると言い切りましょう。もちろん生命保険ははいりません。健康診断にもいきません。ですからまわりの健康なんて知ったことではありません。いや、まわりにも一緒に早死にをすすめていることを笑って宣言しましょう。相手は自分の健康だけが大事な小心者です。アキコさんがそこまで言い切れば、あおざめてひいていくでしょう。
もっとも小心者のいやがらせは怖いですよ。あとで何をされるかは保障しません。
(ハルマサ編集長)
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アキコさんの立場にたって嫌煙家を小心者よばわりしてしまってすいません。チェーホフにその名もすばり「タバコの害について」(『チェーホフ戯曲選』収録)という戯曲があります。たばこの話は最初だけで、延々と独白で奥さんについての愚痴が続くという、なんともいやな話です。
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2007.07.23
夢を叶えよう
はやっている曲は恋と夢が語られることが多いように思います。大人も、夢を持つことや、それに向かって頑張ることを尊いこととして褒めそやしますね。今日はそんな環境で疑問を持ってしまった方からのお悩みです。
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【質問】
小さなころから夢なんてありませんでした。
なんで皆、夢なんてあるんだろう。
(東京都世田谷区 Y子 12歳)
【回答】
夢は何ときかれたら、漫画家とか歌手とか、なかにはアニメのヒーローとか答える人もいますね。大人は「子どもらしい」といってもちあげながら、こころの底では、なれないのよね、かわいそうね、と憐れんでいます。というより、実現できない夢をもたせることで、挫折を味あわせたくてしかたないんです。そうすることで子どもが子羊のように従順でいることを望んでいます。なんてよこしまなんでしょう。
でも本当は夢を見ているのは大人です。でなければ、どうしてローンなんて、おそろしいことを考えるのでしょうか。そうでなければ、オリンピックをやりたがったり、美しい国を作ったり、はた迷惑なことだらけ。
夢なんていらないあなたのような賢い子どもが大人の夢でふくれあがった社会を壊してくれること、これが私の夢かもしれませんね。
(ハルマサ編集長)
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少年少女たちこそ現実主義者で賢者であることは多くの名作に描かれてきました。たとえばケストナーの『ふたりのロッテ』は子どもたちが知恵をつかって別れた両親を和解させる物語です。
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お悩み相談室
2007.07.18
啓文堂吉祥寺店さんでお悩み募集中!
啓文堂吉祥寺店さんで14歳シリーズがどばっと展開中です。
大きなワゴンに
14歳本ブームを取り上げた新聞と
ブックフェア会場で大好評だったお悩み相談室ポストも揃えて展開中です。
たいへんご好評をいただいておりますようで、たくさんの方々に足を止めていただき、そしてたくさんのお悩みをいただきました。
今日は感謝をこめて、そのポストに寄せられたお悩みにお答えします。
この展開は今後もしばらく続きますので、ぜひ皆さんも吉祥寺にお立ち寄りの際はのぞいてみてくださいね。
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【質問】
どうにもこうにも明日が見えません。
輝子 20歳
【回答】
相談というよりは悲鳴の声をきいたようです。
輝子さん、一般論になりますが、20歳では明日は見えません。いや、いくつになっても見えません。緻密な計画をたてても、お皿やコップが壊れるようあっさり粉々にしてしまう。それが「明日」です。想像ですが、輝子さんは希望のなさに追いつめられているのでしょうか。フリーターとして過酷な毎日を送っているのか、学生として先の見えなさに暗澹としているのでしょうか。
でも明日、なにかが壊れる時、輝子さんには、なにかがはじまるかもしれません。そう思ってみるだけでも、ちょっとだけ、こころに隙間ができて、明日が楽しみになるはずです、たぶん。
(ハルマサ編集長)
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輝子さんには何を推薦するか迷いましたが、平井玄の『ミッキーマウスのプロレタリア宣言』をすすめることにします。明日なき若者たちの「明日」のための本です。
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2007.07.13
失敗と責任
今日はとてもやさしい心を持った人からのお悩みです。友だちの身の上に起こったことで自分のことのように真剣に悩むことは、なかなかできないことだと思います。ハルマサ編集長もずいぶん真剣に考えたようです。
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【質問】
友だちがクラスで任された仕事を失敗してしまいました。どうなぐさめたらいいでしょうか?
(匿名希望 女 15歳)
【回答】
つらい話ですね。でも失敗した時、必要なのはなぐさめなのでしょうか。クラスの仕事なら、そこまでむずかしく考える必要はないかもしれませんが、大人になるための心構えと思って、参考にしてください。
お友だちに必要なのは失敗への責任をどうとるか、ということです。あやまる、ということでよければそれでいいですし、ある役割を自分に強いることでもいいのです。たとえば掃除当番を何日かひきうけるとか、です。そういう道筋をへて、クラスのみんなとお友だちの双方がお友だちが自分の失敗に責任をとったと了解するということ、これがお友だちに負い目が残らない方法だと思います。
ただなかったことにするとか、可哀相だね、といってなぐさめることは、問題を一時的にふたをするだけです、もちろん前も書いたように時間がすぎるにまかせる、という方法もありますし、だいたいは、これですみます。しかし責任のとりかた、というのを曖昧にして、それだけ問題が解決しにくくなるということもあります。おおげさな話かもしれませんが、日本とアジアの関係もそういう問題です。お友だちの失敗がどういうものかはわかりませんが、実際に起こってしまったことはとりかえしようがありません。ですから責任をとる。というのは実はただに儀式かもしれませんが、それはとても大事なことなのです。
(ハルマサ編集長)
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匿名希望さん、お友だちをなぐさめるかわりに、本をいっしょに読んではいかがですか? ちょっと古いけど山本有三の『路傍の石』はまじめな青年が悩みながら成長していく話です。まじめで友だち思いの匿名希望さん、そして責任感が強そうなお友だちのような中学生にいいと思います。
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お悩み相談室
2007.07.12
お小遣い、いくらもらっている?
皆さんは毎月お小遣いをいくらもらっていますか? もしかして、もう自分で稼いでいるという人もいるのでしょうか? いくらあっても足りないような気がするのがお金。それは大人も子どもも同じようです。今日もブックフェア会場のお悩みBOXに寄せられた、元14歳のお姉さんからのお悩みです。
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【質問】
お金がいつも足りません。どうしたらいいですか? お金とのつきあいかたがわからなくって、あるとついつい全部つかっちゃいます。
(まつを 女 29歳)
【回答】
ちょっと前に「よ〜く考えよう。お金は大事だよ」というCMソングが流れていました。とても気持ちの悪い歌でしたね。なぜ気持ち悪いのでしょうか。
お金は人を奴隷にします。もっていないと不自由なのに、もっているとそれに縛られる、じっと見ていると、自分をもっと増やしてくれよ、といいはじめ、人は株やギャンブルにのめりこんでいきます。まつをさんは無意識で、このことのやばさをかぎとっているのでしょうか。でもそれで使ってしまうことで、自分の要求を充足させているとしたら、やはりお金の奴隷のままじゃないのかな。
でも「江戸っ子は宵越しの銭はもたない」というから、まつをさんのようなありかたでもいいかもしれません。まつをさんは江戸っ子ですか。
(ハルマサ編集長)
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そういえば知人から、ほんの出来心で一夜にして全財産を失った体験をきいたことがあります。以来、その人は金銭感覚のみならず、普通に生きることも根本からおかしくなってしまったそうです。お金がどれほど無意識に人をしばっているかの、一例です。
まつをさんには青木雄二がいまのための『資本論』として書いたという『ナニワ金融道』をおすすめします。え、読んでもダメですか。それは重傷かも。ではジョージ秋山の『銭ゲバ』はどうでしょう。
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2007.07.11
夢のような夢
以前(6月12日)にも、今日のお悩みと似たような質問がありました。ただ、今日の方は、その質問よりもうちょっと、悩みが進行しちゃっているようです。さて、編集長はどうお答えするでしょうか? ではどうぞ!
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【質問】
芸能人と結婚するにはどうすれば良いですか?(現実的な問題として)
(じゅんじゅん 男 元14歳)
【回答】
これには一行で充分です。
もうお昼です。そろそろ、夢から醒めましょう。
(ハルマサ編集長)
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じゅんじゅんさんにはセルバンテスの『ドン・キホーテ』をおすすめします。この主人公は物語を読みすぎて、現実と空想が区別がつかなくなってしまいました。じゅんじゅんさんの妄想もそこまでいくと素敵なんですけど。でもそれを行動に移すと、ただのストーカー? 逮捕されないように気をつけてください。
似た質問に答えたことがありますので、アーカイブでみてください(6月12日)。え、現実的な問題をきいているから、もっとちゃんと答えろ、だって? もういいかげん、目を覚ましてください、じゅんじゅんさん。
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2007.07.10
慢性的五月病?
東京はしとしと雨降り。こんな日は「なにもしたくないなあ」とすべてにやる気がなくなってしまうもの。さて、今日の相談者さんは「やる気」どころか……とにかくご覧ください。
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2週間に1度くらい、全てがどうでも良くなってしまうのですがどうしたらいいですか?
(武田 男 24歳)
2週間に1度なんて、まだ甘い。私は毎日、どうでも良くなります。なぜか、考えてみました。ひとつの答えは、まわりはどうでも良いことばかりだから、どうでも良いということです。
もうひとつの答えは、どうでも良い、と思うのは、実はどうでも良くないから、つまり現実が重くて、そこから逃げ出したいから、そう思うということです。
でもこのふたつは違うはずなのに、なんか似てます。ようするにどうでも良いんです。
そういうわけで、この質問に答えることもどうでも良くなってきました。今日はこれ
で終わりです。
(ハルマサ編集長)
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どうでもいいや、という気分の時には、パンクな小説がおすすめ。たとえば町田康の『くっすん大黒』なんてどうですか。あるいは中原昌也の『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』。破壊的な気分がすばらしい表現のもとになっていますね。どうでもいい、という感情は本当はものを生み出すために大事なんです。
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お悩み相談室
2007.07.09
ブックフェア大盛況、ありがとうございました
東京国際ブックフェアではたくさんの方々に14歳の世渡り術ブースへお運びいただき、本当にありがとうございました。編集部員自ら、チラシを配ったりお客様へ話しかけたりしていたのですが、「あ、14歳、知っていますよ」「新聞で読みました」「面白そう」というお言葉をいただけて、大変励みになりました。
これからもどうぞ「14歳の世渡り術」をよろしくお願いいたします。
さて、そのブースでは、前のエントリでもお見せしたように、今回はメールでなくとも相談できる手書きお手紙型お悩みBOXを設置しておりました。たくさんの方々から応募をいただきまして、こちらも本当に感謝の言葉しかありません。傾向としては、やはり14歳より上の方々からの応募が多かったように思います。これからは通常応募体制に戻りますが、メールでも年齢制限はありませんので、お兄さんお姉さん方もどんどんご応募くださいね。
では今日はその手書き応募の中からひとつお答えします。いつも以上の切れ味でお届けです。
【質問】
私は運が悪いんですが、どうしたらいいことが起こるようになりますか?
(匿名希望 女 25歳)
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【回答】
私は雑誌で占いのページを読むのが好きですが、いいことは信じません。そのとおりになったことがないからです。ただわりと悪いことはあたります。なぜでしょうか。
理由は簡単。この世には、もともといいことより悪いことのほうが多いからです。つまるところ、いいことなんて、そうは起こりません。匿名希望さん、だから運が悪いのを嘆く必要なんてないのです。何のなぐさめにもならない答えですが、もう25歳の匿名希望さんに夢のようなことを言っても仕方ないですものね。
ある思想家にこんな言葉があります。この意味を考えてみてはいかがでしょう。
「希望なき人々のために希望は与えられている」
(ハルマサ編集長)
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文学は運のわるい話でいっぱいです。でもそれは物書きが意地悪だからではなく、現実が意地悪なのです。ソポクレスの悲劇『オイディプス王』を読んでみましょう。信じられないほど、不運な男の話です。でも人の悲しい運命を読んで、これを楽しむなんて、人間も本性は意地悪なのかもしれませんね。
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2007.06.27
大きい夢を見ている?
みなさん、将来の夢ってありますか? どんな仕事につきたいか明確に見えている人もいれば、明日のことも想像できないよ、っていう人もいるかと思います。でも、なかには、中学を卒業したら働きはじめる人もいますね。
今日は、早くも具体的に夢に近づこうとしている人からのご相談です。
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【質問】
ぼくはサッカー部です。将来は海外でプレーしたいと思ってるけど、もう卒業まで待てないので、授業もつまんないし、ブラジルに留学しようと考えてるんですけど。学校をやめてしまって行ったほうがいいんだろうか。親に言っても反対されるに決まってるし、友達は笑って相手にしてくれません。どうやって決めたらいいですか。
(愛知県 T 16歳)
【回答】
そんな大きな夢をもっているなんて、素晴らしいことです。
ただ授業がつまらないのと、その夢がセットになってることが気にかかります。授業がつまらなくて、卒業まで待てない、ということでは、本当に夢が実現しても、やはりいつか投げ出してしまうんじゃないかな、と。
友だちが笑って相手にしない、ということはいまの時点では、Tさんの選手としての才能が花開いているとは言えないようですね。夢をもつことは大事なことですが、それを実現させるためには、自分の才能や環境をクールにつきはなして見ることが必要です。どこまで自分がそれを出来ているのか、振り返ってみることをおすすめします。
(ハルマサ編集長)
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Tさんには、スポーツノンフィクションの古典、沢木耕太郎の『敗れざる者たち』をおすすめします。ここに出てくるような、悲しいまでにハードな生き方を選ぶ勇気、持ってますか。
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お悩み相談室
2007.06.26
社会正義
「いいことをしようと思ってやったのに……」その気持ちを裏切られたことってありますか? 自分の善意に相手が応えてくれなかったり、逆に悪意を返されたり。今日はそうして傷ついた方からのお悩みです。
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【質問】
コンビニのレジに募金箱ありますよね。店員がそこから金を盗んでるってうわさを聞きました。マジ? 私わりとこまめにおつりを入れてたんだけど? めちゃくちゃショックです。そんなことって、よくあることなんですか? 本当だったら、こんな世の中許せない。
(静岡県 ナナ 17歳)
【回答】
それって本当ですか。
でもなぜ、ナナさんは募金したのかな。おつりを募金することで、どう人の役にたとうと思ったのでしょう。なんのための募金なのか、たしかめましたか。コンビニの店員さんがもし盗んだとしたら、もちろん許されることではないけど、その店員さん自身、募金が必要な人より生活が追いつめられていたかもしれませんよ。そうすると人助けしたことには変わりはありませんね。
そういう可能性も考えてみませんか。
募金を通じてナナさんは社会の見知らぬ人々とつながろうとしたんですよね。その気持ちは大事です。でもそれなら、目の前の社会のことに想像をひろげてみることです。そんな回路をぬきに、おつりを募金して、いいことをしたつもりだけになっているって、ちょっと残念です。「こんな世の中許せない」という前に何を許さないのか。そもそも募金が必要な社会のほうが問題なんじゃないかな。
(ハルマサ編集長)
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日本では最初に「ああ無情」というタイトルで訳されたユゴーの『レ・ミゼラブル』は貧しさのため、たった一切れのパンを盗んだがために、20年も投獄された男の物語です。そんな現実はいまもそう変わっていない、ということを、まずナナさんは理解したほうがいいかもしれません。
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2007.06.25
彼氏彼女
つき合ってる人っていますか? 好きな人とつき合えることになったら、それは飛び上がるほど嬉しいことですね。でも、そこがゴールではない。つき合いが始まると人は、必ず、その先で悩むのです。
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【質問】
初めて彼女ができました。この間デートで遊園地に行ったんです。でも、手つなげないし、オレ情けなくて。
緊張すると、なんでか体が思うように動かない。彼女はちょっとイライラしてんじゃないかと思います。このまま女の子とうまく付き合えないまま生きてくんでしょうか…。
(山口県 J 16歳)
【回答】
いま、話題の宮崎あおいは婚約相手と16歳からつきあっていたそうです。そうすると以前の回答(5月22日)は訂正する必要がありそうですね。
でもやはりそんな例はまれで皆、最初はJさんのようなものです。緊張するのは、それだけJさんが彼女が好きな証拠です。きっと彼女もそのこと、わかってくれるはずです。もしわかってくれないなら、これからつきあい続けたとしても、ちょっとつらいんじゃないかな。とすれば、これでもうダメということになれば、それはそれでいいというのです。そうなっても自分の自信を失うことはないですよ。
Jさんは今回はそんなつもりでいればいい。
もうひとつ、このまま、なんてことは今は心配する必要はありませんよ。
こんなかわいい悩みには、これくらいしか答えが見つかりません。
(ハルマサ編集長)
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Jさんには武者小路実篤の『お目出たき人』をおすすめします。告白できないまま、相手が自分のことを好きに違いないと思いこみつづける男の話です。それよりはJさんのほうが上をいっていると思って安心できますし、恋している男の滑稽さに身をつまされるかもしれません。
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2007.06.22
信じるって?
あなたは、おうちのお墓がどこにあるか、お寺や教会がどんな宗派か、しっかり知っていますか?
日本人はたいていが無宗教だといわれますが、宗教の大切さは、それこそ個々人で違いが大きいものです。今回は、そのギャップを感じてのご相談です。
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【質問】
クラスの女子をしきってるS子ちゃんのことで相談があります。
S子ちゃん家は宗教に入ってます。なんかふつうとは違う感じの。
テストとか体育祭とか、頑張らなきゃない時はいっつも「これ食べて」って変なものを配ってきます。
休みの日はよく、すごい先生を紹介したいって誘うんですよ。S子ちゃんにいやっていいにくいんだけど、勧誘みたいのは本当にウザイしやめてほしいんです。どうやったら怒らせないで断れるんですか??
(栃木県 ナオ 15歳)
【回答】
これはとても大事な問題です。
もしあなたがその宗教に少しでも関心があるなら別ですが、そうでないとしたら、はっきり断りましょう。S子さんを怒らせてもかまいません。S子さんがクラスをしきっているから、あとでハブにされることがこわいのかな。でもあなたが皆の前でしっかり断った姿を見せたら、皆、あなたに共感するはずです。
考え方や信仰を強制されることほどおそろしいことはありません。そしてそれほど人をおとしめるものはありません。そのことをあなたはS子さんに教えてあげるべきです。
(ハルマサ編集長)
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宗教、信仰のことはいつか向き合わなくてはなりません。信仰について問う小説もたくさんありますが、その入り口に遠藤周作の『沈黙』をすすめてみます。信じることがいかに大きなことかわかるはずです。簡単に勧誘したり、されたりするものでもないということも。
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お悩み相談室
2007.06.21
14歳にはまだ遠い?
しかし、数年後には君たちのものになっているだろう、就職についての悩みです。
就職は社会の状態にも大きく左右されるもの。10年後の自分がどうなっているかもなかなか考えられないのに、そのときの社会がどうなっているのか……たった10年後、いや5年後であっても想像がつかないから、よけいに怖いですよね。
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【質問】
大学4年の者です。就活が全然うまくいかなくてへこみます。書類で落ちまくり、やっと面接に行っても、なんか厳しいことばかり言われたあげくに落とされます。先が真っ暗なんです。これからどうやって食べていけばいいのか、ものすごく不安なんです。編集長はこんな時期どうだったんですか? 死にたくなるくらい苦しいです。どうしたらいいかわかりません。
(東京都 M太 22歳)
【回答】
私はこの頃、就職、落ちまくりでした。もう20数年前の話です。でもなぜか悲観はしていませんでした。
いまは就職状況がよくなったと言われていますが、ほんの数年前まではひどい状況でしたから、M太さんのようなのが普通でした。とても頭も性格もいいのに、自分はフリーターになると決めて、いまもしっかり生活している、そんな若者を何人も知っています。その中には意識的に会社のような機構に組み込まれることを拒んでそうしている人もいます。そういう若者たちを見ていると、もしかすると自分のほうが間違っているようにも思えてきます。そう思ってみると、M太さんのように悩むのはどうも違うような気がします。M太さん、思い切って、そんな生き方も選択のうちに考えてみませんか。すると気持ちは楽になるし、もしかするとそのことで就職活動もうまく行くかもしれませんよ。
ただ仮にM太さんがどこかの会社にうかったとしても、昔のように「平凡なサラリーマン」として一生を終わることはないでしょう。そういう社会のモデルはもう過去のものです。上に書いた若者たちはそれを見越した上で自分の人生を決めたはずです。M太さんもそのことは忘れずに。
(ハルマサ編集長)
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前もこんな答えを出した時がありましたね。その時は『路上』やだめ連の本をすすめました。今回は矢部史郎と山の手緑という二人組が社会や働くことについて思い切り過激に考えた本『愛と暴力の現代思想』をおすすめします。
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お悩み相談室
2007.06.19
学校ってどうしても
あなたはいじめられたことがありますか? いじめたことがありますか?
学校という場所は、なぜか、どうしてもいじめが発生しやすい場所であるようです。
今回はいままさにいじめられている人からのお悩みです。
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【質問】
小学校のときからずっといじめられてきました。私立に行けば大丈夫だと思っていたら、もう1年の6月にはいじめられるようになりました。いじめられるのは私が悪いんですか? いじめられやすい顔や性格や態度ってありますか?
(東京都 匿名希望)
【回答】
顔が原因だとしても、そんなのあなたにはどうすることもできません。性格や態度については、もしかすると何か人に不快な印象を与えるところがあるかもしれませんね。いままでこの相談室では、「社会は戦場だ」と書いてきましたが、「いじめ」という問題について考えると、教室も戦場なんですね。そうだとすれば、ここであなたは身を守るために、見せてはいけない「すき」を見せてしまったのかもしれない。反省するとしたら、この観点からだけです。
しかしもう「いじめ」の対象になってしまったら、なぜかなんて考えるのは、当面、必要のないことです。そこからどう逃げるかだけがテーマです。いじめが最も悲惨なのは、こわれやすい年頃に、本当にその人をこわしてしまうことです。それをさけて、こわされてしまう前に、逃げるためにはどんな手段でもとりましょう。学校を変える、という方法もあります。あるいは不登校という道もあります。そのためのフリースクールのような場所もいまはあります。そういうところでいじめにあって苦しんだ子と知り合いになってみたりすると新しい可能性が開けてくるのではないでしょうか。学校が変わったりした時に、上に書いたような反省をしてみましょう。同じ道に迷いこまないために。です。
(ハルマサ編集長)
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匿名希望さん、そしていじめに苦しむ方々にリンドグレーンの『長靴下のピッピ』をおすすめします。いじめに対して、うちにこもってしまっては、いじめに負けたことです。せめて空想の中ではひろい世界をとびわかりましょう。息苦しい社会をけとばして、ひとりであることをおそれず生きたいままに生きるピッピのすがたはあなたをはげますことでしょう。
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お悩み相談室
2007.06.18
男子と女子
クラスの異性とは、仲良くできていますか? たいてい、男子と女子の間には壁があることが多いですよね。男子全員と女子全員が対立して、ケンカしちゃうことも……今日はそんなお悩みです。
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【質問】
うちのクラスはいっつも男子と女子が別れて対決しててうるさいし、空気悪いです。
男子と女子ってどのクラスでもけっこうケンカしてるかんじです。どうして対立するんですか?
(山梨県 H田)
【回答】
H田さんは中学生ですか? この頃は、相手を異性として、恋愛や性愛の対象として急速に意識しはじめる時期です。しかし男の子も女の子もたいてい、自分がその世界にどうはいっていくのか分からず、とまどっています。それが集団としてふるまうとき、対立しようとします。わかりやすくいうと、関心の裏返しがケンカになっているということですね。実際、個々の男子がそんなに嫌いですか? 本当は話してみたいじゃないですか? あるいはもう彼氏が出来たり、彼女がいる子たちを見てみましょう。その子たちは男女のケンカにすこし距離をとってませんか。いまの男子女子の対立は自然と消えていくでしょう。
こんなふうに書いていくと、まるで動物の集団を観察しているみたいでしょ。
そうです。人間は所詮、動物なんです。特にその面は異性の関係と集団でいる時にもっとも強く出てきます。この場合、両方の要素があるから、たいへんですね。しかも中学生のころは、動物として一番の成長期です。体はどんどん大人になるのに、こころがついていけない時期ですから、いろいろたいへんです。こころも大人になったあとから振り返ると、どうでもいいことが大きく思えてくるのです。
動物のようだなんて、哀しい気もしますね。集団としてこれを制御することはたぶんできません。H田さんは、ただ冷ややかにながめているしかありません。こんな風にこころの中で距離をとるしかないようなこと、大人になってもありますよ。
(ハルマサ編集長)
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人間のいとなみを相対化するために、たとえばファーブル『昆虫記』を読んでみませんか。ファーブルが昆虫を観察したように人の行動を見ると、愚かなことが、いとおしくさえ思えてきます。それとも、昆虫や動物のほうがかわいいと思うかな。
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お悩み相談室
2007.06.15
習い事、好き?
習い事をしている人はいますか? それはどんな習い事? そして、その習い事は好きですか? 親が言うから面倒だけどやってる、という人もいますが、それが生涯の仕事にしてもいいくらい、のめり込む出会いである人もいます。今日はそんな人からのお悩みです。
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【質問】
好きでずっとピアノを続けてきました。でも、お母さんが今年は受験だからやめろって言うんですよ。やめなくったって合格できる自信はあるけど、なんて言ったら親は続けさせてくれますか?
(大阪府 A 15歳)
【回答】
ではお母さんをどう説得できるか考えてみましょう。
そもそもあなたにピアノをはじめさせたのはお母さんですか。それなら簡単です。楽しいこと、しかもピアノというあなたを豊かにするものをすすめておいて、とりあげるなんてどういうことだ、と言ってみましょう。お母さんはわたしをおもちゃにしてるの、って泣きながら訴えましょう。
さて、自分でピアノを選んだ場合も実は同じです。自分でピアノを選び。ここまで続けてきた自分の意思の強さをアピールするのです。ピアノを続ける意思があるからこそ、受験も戦えるのだ、と言ってみましょう。それでもだめなら? もうピアノ教室には行けないけど、自分でピアノを続けるしかありませんね、でも日々の練習を怠らなければ、高校になってまた許してもらってはどうでしょう。もっとも普通なら、そんなあなたにお母さんも根負けするんじゃないかな。いずれにせよ、絶対にピアノをやめないぞとかたく意思をしめすことですね。
(ハルマサ編集長)
**********************
そんなに音楽がすきなAさん、ロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』に挑戦しては。ベートーベンをモデルにした音楽家の生涯を感動的に描いた名作です。いまはあまり読まれなくなりましたが、30年くらい前は、若い世代に人気の長編でした。
ところでグレン・グールドというピアニストは知っていますか。バッハの現代的な演奏などで、亡くなってからも人気のあるピアニストですが、ある時期からコンサートをやめてひきこもりのような生涯を送った変わり者でもあります。彼は夏目漱石の不思議な小説『草枕』を愛読していました。Aさんもこれを読んで名ピアニストのような気分になってはどうでしょう。受験や家のいやなことを一時、忘れられますよ。
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お悩み相談室
2007.06.14
仲良しグループってある?
クラスのなかではたいてい、仲良しグループがいくつか発生します。そのメンバーに入れるか、どのグループに入るのかで、学校生活は大幅に変わってしまうと言っても過言ではないでしょう。
今日はそこからいま、はずれてしまっている人からのお悩みです。
(5月ごろにいただいたのに、アップが今頃になってしまってすみません! もしかしてもう解決しているでしょうか?)
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【質問】
中学校に入学してもう2カ月くらいだけど、今のクラスに全然なじめないんです。
みんなはもう仲良くなってるから、あせってます。どうしたらいいですか?
(高知県 S美 13歳)
【回答】
おや、それはさびしいですね。
ただ小学生から中学、高校、そして大学、社会という順をおって、友だちとの関係は
基本的にはうすくなっていくものだということをおぼえていた方がいいですよ。
歳をとればとるほど、ただ仲がいいということだけでなく、そのつきあいには、自分を守るためとか、うっすらとですが、利害がからんでくることになります。実は小学生の時もそうだったのかもしれないけど、それは強く意識されることは稀です。S美さんはあせらなくてもいいんです。無理して友だちをつくろうとする必要もありません。大きくなりながら、学ばなければならないのは人はひとりだということです。あなたは、いま、それを学ぶ時期だと考えてはいかがですか。それを学べなかったために不幸な大人になった例はいくつもあります。そしてあなたがしっかりひとりでも生きていけるようになってら、そんなあなたにひかれて素敵な友だちができるかもしれませんよ。
(ハルマサ編集長)
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仲良しができるまでの間は、本になじむ時期でもあります。孤独は特にドイツ文学になじみの多いテーマです。都市をさまよう青年の内面をつづったリルケの『マルテの手記』はちょっとまだ難しいかもしれませんが、読むと雰囲気だけでも伝わるのでは。
カフカの『変身』は朝、おきたら虫になっていたという、びっくりするような設定ですが、違う視点からひとりであることについて考えさせてくれます。これに似た日本の作家に安部公房がいます。『箱男』はじめ、その多くはやはり不思議なストーリーを通じて孤独を描きます。こんなふうに孤独をテーマに考えていくとなんだか大人になった気がしてきますね。そこが孤独の力なんです。
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お悩み相談室
2007.06.13
これってえこひいき?
中学にはいると部活が始まります。小学校のときと違って、同じクラスで出会うより、部活が同じ人 とより仲良なれる、ということも多いかもしれません。今日はそんな部活で頑張って、毎日が充実している人なのに、なぜかお悩みがある人からの相談です。
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【質問】
うちの野球部のことです。
野球部はなぜか学校でひいきされていて、人数さえ揃えば誰でも出られる大会でも、学校みんなで壮行式をやることになっているんです。私はいま合唱団に入って頑張っています。けっこう強くて、よく全国大会にも行っているんです。なのに、壮行式をやってもらったことなんて一回もありません。
野球部とか、運動部ばっかり学校にひいきされているのは許せません。どうやったらこの状態を変えることができるんでしょうか?
教えてください。
(福岡県 D)
【回答】
あなたのお父さんが会社勤めだったら、その話をしてみませんか。きっとお父さんは苦笑いをするか、ちょっとつらそうな顔をするんじゃないかな。大人の社会はDさんのような話でいっぱいです。がんばっているのに、認められない。認めてもらうために、いろんなことをやる。認められるということが、そのまま、お金にもつながっているからたいへんです。
Dさんの気持ちもわかるけど、いまのような状態でいられたほうが幸せだと思いませんか。学校がどう思おうといいじゃないですか。野球部の子たちをはげましてあげたらいいじゃないですか。いまから、大人のような認めてもらいたがり合戦をするなんて、哀しい話です。それとも合唱部でうたうのは、そのためなのかな。そのあたり、もう一度、考えてみませんか。
(ハルマサ編集長)
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とはいえ、認められたり、評価されるということは人にとって重要です。Dさんは同じ合唱部の仲間や全国大会という場があるので、そこを大事にしましょう。マーク・トウェインの何度読んでも素敵な冒険譚『ハックルベリー・フィンの冒険』を読むと、仲間といっしょに何かをやりたいという気持ちがわきあがってきます。そんな気持ちがクラブ活動の初心じゃないのかな。あるいは芦原すなおの『青春デンデケデケデケ』はバンドをつくる少年たちを描いた名作です。あの主人公たちのように楽しければ、学校がどうのなんて、どうでもよくなりますよ。
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お悩み相談室
2007.06.12
恋愛にもいろいろある!
好きな人、と言ったら、クラスの人、学校の人、同じ塾に通っている人……そんな身近な人が対象になることが多いと思います。でも、電車でたまたま乗り合わせた人に一目ぼれするようなケースも恋のひとつですね。では、今日の相談者の場合は……?
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【質問】
私にはすごく好きな人がいます。
でも、その人はクラスの男子とかじゃなく、芸能人なんです。
一回、握手会に行ったら「ありがとう」ってニッコリ笑ってくれて、よけいに好きになってしまいました。もう諦められません。友だちは「それは本当の恋じゃないよ」って言うんですけど、この気持ちはただのファンじゃないと自分では思っています。
芸能人相手にこんな気持ちになるのって、ちょっとおかしいんでしょうか?
(群馬県 ハナ)
【回答】
困った質問ですね(笑)。
でも同じような気持ちの子たちってたくさんいるんじゃないかな。
もちろん、それも恋ですよ。しかもただ哀しいだけの恋です。
ハナさんも芸能人になったり、芸能界で仕事をすれば、恋がみのることもあるかもしれません。でもそれが現実的じゃないってことも、ハナさんは知っていますね。
でも何でもあきらめろ、とは言いません。特にハナさんの年頃は絶対に望みはかなう、と信じたほうがいい。ただ、それでも、この世界には望んでもえられないものがある、そしてそれを望むことが大事だということがあります。
だからハナさんはいまの恋の気持ちを大事にすることです。
(ハルマサ編集長)
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ここで禁じられた恋の悲劇を描いたシェークスピアの『ロミオとジュリエット』を出すのは大げさかもしれません。でもハナさんがジュリエットの気持ちになって読んでみてはどうでしょう。
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お悩み相談室
2007.06.11
むかつくクラスメイト
むかつくクラスメイトっていませんか?
授業中に話しかけられるのがウザいとか歯ぎしりがうるさいとか、いつも自慢ばっかりしてるとか自己中だとか、もしくは特に理由がないんだけど見ているとイライラするっていうことも、あるかもしれません。今日はそんなご相談です。
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【質問】
私のとなりの席の男子、ひとり言がめちゃくちゃ激しいんです。
小テストの時とかもずっとうるさいんで、1度先生に注意してもらうよう言ったんです。
そうしたら、そいつが成績トップだからってひいきしてるのか、先生が「彼の個性だから気にしないように」って。
ホントにムカつくんですけど、うるさいと思っちゃう私がいけないんでしょうか?
(秋田県 R子 14歳)
【回答】
はげしいひとり言は困りますね。
でも先生がそう言うのなら、問題はR子さんがまわりを気にしすぎるということじゃないかな。この年頃は自意識が自分でもコントロールできなくなるほど大きくなってきます。その分、他人のことにもとても鋭敏になってきます。ここで、そんな自分を突き放して見守る、もうひとつの目を持ってみませんか。
えこひいきしているから、とかはR子さんの思い過ごしと考えることもできます。一番危険なのは、その方向にどんどんこころが行ってしまうことです。人間はいろいろな葛藤につきあわなければなりません。そのこと自体は仕方のないことです。ただその葛藤を他人への攻撃や自分への攻撃に向かわせることはあなたのこころをあやうくしてしまいますよ。10代というのは、そういう年頃です。
気になる自分を突き放して見ることができれば、そのうち隣の子のこともただの騒音になってしまうかも。それでもうるさいのには変わりないけど、それは繁華街に引っ越したようなものだと思ってみましょう。
(ハルマサ編集長)
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R子さんには、カミュの『異邦人』なんてどうですか。主人公ムルソーは徹底して自分を突き放します。世界には意味などない、という不条理の思想を文学で表現したと言われる作品ですが、若い読者にはムルソーのクールさにひかれるはずです。ただ、このムルソーのように、いきなり隣の男の子を殺したりはしないでくださいね。
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お悩み相談室
2007.06.08
きょうだい、いますか?
最近は一人っ子が多いと聞きますが、そのわりにはきょうだいの悩みはたくさん聞きます。
今日はそのなかからひとつ、ご紹介しましょう。
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【質問】
私は、お姉ちゃんのことが、本当はすごく嫌いです。
周りには仲良し姉妹と言われていますが、親は勉強ができて言うことを聞くお姉ちゃんのほうばっかり大事にして、特に成績の良くない私には「好きなことやればいいからね」とか言って、結局は放置しているんです。
学校でも先生がいつも「○○さんの妹さん」って呼びます。私も同じ「○○さん」なのに。もう姉は卒業しているのに。
自分の頭が悪いのがいけないとは分かっているのですが、どうしても姉を憎んでしまうのをとめられません。
(神奈川県 S)
【回答】
お気持ち、わかります。
お姉さんを憎むのは当然です。そしてこんな相談を送ってくるくらいだから、あなたは自分のそんな感情をもてあましているのではないですか?
愛したり、憎んだり、嫉妬したり、という感情をもつこと自体は理性(ものを判断する力)ではどうしようもすることはできません。
大事なのはそういう感情をもってしまった自分に素直に向き合うことです。
お姉さんを殺してしまいたいほど憎いですか。それともそれは勉強ができるお姉さんへの嫉妬ですか。もしかすると自分を人格として認めない親や先生に問題があるんじゃないですか。もしそうならお姉さんを憎むのは筋違いですね。親や先生にそのことをはっきり言ってはどうでしょう。そうしても相手の態度は変わらないかもしれません。ただそういうふうに自分で意思をはっきりさせるということが、この場合、大事です。
もうひとつ、どうであれ、あなたの気持ちをお姉さんに話してみてはいかがですか。
そしてお姉さんの悩みも聞いてみてはどうでしょう。
Sさんの悩みはそれらで大きく解消していくように思います。
**********************
前にも紹介した幸田文には『おとうと』という名作もあります。愛する弟の悲しい運命を主人公が見守るという小説です。マンガにもきょうだいの話はたくさんあります。『舞姫(テレプシコーラ)』は、バレエ一家に生まれ、天才バレリーナの卵の姉と比べられながらも、バレエの世界のなかで新たな生き方を見つけていく妹が主人公のお話です。主人公の悩みや苦しみは、Sさんの現状にぴったりかもしれません。
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お悩み相談室
2007.06.07
人には決して言えない傷
生きていると、人には言えない秘密をひとつやふたつは持つようになります。
それぞれの秘密に重い、軽いはないですが、とはいえ今回の相談は、本当に重い秘密だったと思います。相談してくださった方に感謝して、紹介します。
**********************
【質問】
私は、小さい頃、知らない大人に襲われました。
それ以来、大人のすることが耐えられません。小学校も中学校も、ろくでもない大人しかいなかった。両親もそう。自分はいつも大人に奉仕している労働者だ、と感じていて、考え出すと全て虚しくて何にもやる気が出ません。
今、高校生ですが、もう地獄みたいに真っ黒です。勉強は好きでしたが、自分の将来に対する夢、そんなのはとっくに音をたてて崩れ、なくなりました。早く終わればいい、と思いながら毎日過ごしています。
私は最近、受験勉強をするようになりました。この生活が理解できない。でも、大学へ行けば今いる世界から抜け出せるから、と思って、勉強してます。友達もいないから、どうでもいい。時々頭が壊れそうになります。もう私の信頼できる人はどこにもいなくなりました。はやくこんな世界から脱出したいです。
(匿名匿住所希望 18才)
【回答】
あまりの内容に絶句してしまいました。
あなたの悩みの深さにどう言葉をとどけていいかわかりません。
ただあなたが大学へいくため、受験勉強をしているということが救いのように思います。
すこしでも、いままでに会ったことのない人や世界にふれること、そして過去をゆっくりと忘れることです。
過去はあなたの記憶にしか存在しないのだから、忘れたら、いまわしい過去も消え去るのだと信じてみましょう。
もちろん本当に忘れることはむずかしいでしょうけど。
大学を出るまでは経済的に家族に頼らなければなりませんが、それでもあなたの心は家族から離れていっているようですね。
それが大事なことです。そんなふうに家族からもじょじょに離れていきましょう。
要するに、いままでの自分を遠くに捨て去ってしまうことです。
それが、あなたの望む「この世界からの脱出」ということではないでしょうか。
これが何かのアドバイスになるかはわかりません。これぐらいしか、いまは書くことができません。
(ハルマサ編集長)
**********************
匿名希望さんに上の答えを出してから少し反省しました。このように書いただけでは、逃げること、忘れることをすすめるだけのようになってしまったような気がします。
もっと大事なのは、あなたを苦しめる、暴力にみちた残酷な世界とたたかうことかもしれません。もちろん暴力で相手に報復するということではありませんよ。それを「やめろ」ということはできませんが、以前の相談で答えたように、そうすることはいっそうあなたを傷つけることになるでしょう。そうではなく、世界とたたかうこと、それはあなたのうけた傷や暴力につながるすべて、それに味方をするあらゆるものに許さない気持ちをたやさないことです。そうすることが、あなたが、あなたの傷、不幸と向き合うためのひとつの道であるように思います。
(ハルマサ編集長)
**********************
シモーヌ・ヴェイユという女性がいます。不幸、そして暴力について考えぬきながら、工場や戦場へ足を運び、34歳で死にました。とりあえず冨原真弓の『シモーヌ・ヴェイユ』を読んでみましょう。
匿名希望さんにはローマの皇帝であり、哲学者でもあったマルクス=アウレリウスの『自省録』をおすすめします。運命をうけとめるとはどういうことかが、断章でつづられています。実はこの「悩み相談」の一番のネタ本です。
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お悩み相談室
2007.06.06
親子関係ってめんどくさい
小さい頃は大好きだったお父さん、お母さんが、だんだんうっとうしくなってくる……。
細かいことまでいちいちうるさい! そう思うことも多くなっているのではないですか?
今日はそんなお悩みです。
**********************
【質問】
母のことで相談があります。
うちの母は、私のことをめちゃめちゃ束縛します。「どこに行くの」「誰と会うの」とかいちいち聞いてきます。門限もきちんと守っているのに、「帰りが遅い」とすぐ怒り、「あんまり勝手なことばかりしてるとケータイ取り上げるからね!」と脅してきます。私ももうすぐ高校生だし、あまり管理されると友だちともつきあえません。
ていうか正直ウザイです。
どうやったらあの人を黙らせられるか教えてください。
(長崎県 ハツコ 15)
【回答】
14歳はちょうど親から離れていく、そして離れていかなくてはならない時期です。そして親も子を自立させていかなくてはならない時期のはずです。一方で経済的には、これからどんどんあなたにお金がかかっていく時期でもあります。あなたはこれから当分、親から心では離れながら、経済的にはより深く依存していかなければならないという、難しい関係を維持していかなくてはならないのです。
親をうざく思うあなたは正しい。ただあなたの出資者である親を怒らすことは賢いやりかたとは言えません。姿勢としては親の管理をうけいれるつもりであることを示しましょう。その上で、あなた自身が一個の人間であることを認めさせ、社会的な成長のために友だちや、時に彼とつきあうことが大事なことを冷静に話してみてはいかがですか。
そんなあなたに親は、最初は驚いて、耳をかそうとしないかもしれません。でもそのうち、自分も子から離れなければならないことをうけとめることでしょう。そう、うまくはいかないんじゃないか、って? そうかもしれません。その際は喧嘩をしながら、親から自分が離れていくことを示しましょう。
もうあなたは気づいていますね。親はあなたの最大の味方であると同時に最大の敵だということを。
(ハルマサ編集長)
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親と子の関係はさまざまです。山田詠美さんの『ジェシーの背骨』は主人公の女性が子どものいる男性と結ばれて、その子を心をかよわせていくプロセスを描いた名作です。逆に幸田文の『みそっかす』は継母との関係に苦しみながら、父にさまざまなことを学んでいく幼少期を描いています。父である文豪・幸田露伴は文に「おまえは美人ではないから、いいいとこに嫁は行けないよ。だから家事が出来るようにしておきなさい」と日頃言っていたそうです。少々、きついですが、こんなつきはなし方も素敵ですね。
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お悩み相談室
2007.06.05
告ったことある?
好きな人ができたら「好き」って言いたくなりますよね。
でも、ふられたら友だちでもいられなくなっちゃうかも、みんなに笑われるかも、などと考えると、どんどん勇気がなくなっていきます。今日はまさにそんな問題に直面してしまった人からのお悩みです。
**********************
【質問】
昨日同じクラスの子に告って、フラれました…。
クラス内でそれを知っているヤツもいるし、超はずかしくてどんな顔で登校すればいいのか全然わかんないです。ショックも大きいしマジで学校に行きたくないんですけど、どうしたらいいですか?
(栃木県 Y彦 16歳)
【回答】
まずあなたはふたつのことをしました。彼女を好きになったこと、そして告白したことです。まず好きになる、というのはなかなか素敵なことです。少なくとも、憎んだり、恨んだりするよりはマシです。そして告白するというのは、勇気のいることです。
彼女の前で告る直前、ドキドキしたでしょ。その勇気に比べたら、ふられて恥ずかしいなんて、小さなことじゃないですか。そしてこんな自分をふった彼女はなんてヤツなんだと居直ってみましょう。友だちの前では、ネタにするくらいの気持ちでいたらいいんです。
もうひとつ、アンラッキーな人には強い味方がいます。それは時間です。もし本当に皆がこのことを話題にしたとしても、数日の話にすぎません。新聞やテレビの話題がすぐ変わるとの同じです。
そもそも人は自分自身以外のことについて長く関心を持続させることはできないのです。ちょっとさびしい話ですけど。そうしてやがてあなた自身も、いつか告った時のドキドキを思い出して、苦笑いすることでしょう。
だから何気ない顔で、堂々と学校へ行きましょう。
ついでに言うと時間は幸福な人の味方ではありません。このこともおぼえておくといいかもしれません。
(ハルマサ編集長)
**********************
上のように書きましたが、今度、告白する時はもうふられたくないですよね。Y彦さんも、告る前にもうちょっと彼女の心をつかんでおいたほうがよかったかもしれません。
小説がその参考になるのかはわかりませんが、恋愛直前の不思議な関係を描いた綿矢りささんの『蹴りたい背中』を読んでみませんか。青山七恵さんの『ひとり日和』には、失恋して、そこからたちあがって新しい生き方をさがす姿が描かれています。Y彦さんには両方おすすめです。
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お悩み相談室
2007.06.04
おさえきれない復讐心
昨日まで仲良くしてたのに、今日になったら急に無視された……不条理ですが、こんな話をよく聞きます。
今日はそんなお悩みです。
**********************
【質問】
今まで仲良くしていた友だちに嫌がらせをされています。
靴を隠されたり、掃除のときバケツの水をかけられたり、他の人とこっちをちらちら見ながら笑っていたりします。
今まですごく仲良くしていたのに、許せません。
なんとか仕返ししたいのですが、どういう方法が一番効くでしょうか?
【回答】
それはむかつきますね。でもなぜむかつくのか。そこから考えてみましょう。
友だちはあなたの人間としての尊厳を危うくしようとしたから。それだと思います。ですから、あなたのなすべきなのは、あなたの尊厳を投げ出すのではなく、それを守ることで友だちの悪意を意味なくし、そうして友だちに手痛い思いをさせることです。
つまり何もしないことです。友だちの行為はあなたにとって何ものでもなかったかのごとく平然としていることです。友だちは逆ギレして、あなたへの行為をエスカレートさせるかもしれませんが、それはあなたの対応が正しかったことのあかしです。同じ次元で争うことは、あなたの尊厳を投げ捨てることです。そしてそれこそ、友だちも気づいていない、友だちの行為の本当の意図なのはないでしょうか。こんな言葉をきいたことがあります。優雅な生活は最高の復讐である、と。
でもそれは理想だけど、復讐の気持ちを抑えることはなかなかできないと思うかもしれません。その際、相手より高い次元にたって復讐するという方法をおすすめします。
ここで重要なのは復讐したいという気持ちは人を何かにかき立てるものでもあるということです。
たとえばあなたは復讐の気持ちをひそかに抱きながら、それをバネに大人になって偉くなり、友だちを見返すのです。ただそれが成功したとき、何のための人生だったかをふりかえって、呆然とするかもしれませんよ。『モンテ・クリスト伯』のように。
そしてそれもまた友だちの行為の意図だったかもしれませんね。
(ハルマサ編集長)
**********************
復讐や怨みは人間にとって根深い感情です。『ハムレット』『嵐が丘』『白鯨』……
復讐をテーマにした作品はあげるときりがありません。上の答えでもすこしわかっていただけたかもしれませんが、復讐は迷路のような感情です。だから復讐をめぐる物語はどれも面白いのです。
そんな感情を捨て去ることを説いたニーチェという哲学者がいます。『ツァラトゥストラ』は内容はすこし難しいかもしれませんが、物語仕立てなので、挑戦してみてはいかがですか。
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お悩み相談室
2007.06.01
働くってどういうこと?
なりたいものはありますか?
2006年の小学生大人になったらなりたいもの第一位は、男子が野球選手、女子が「食べ物屋さん」だそうです(第一生命調べ)。
小学生のときと、中学生になってから。なりたいものに変化はありましたか? それとも?
今回はそんな「将来のこと」についての質問です。
**********************
【質問】
大人になったら働かなきゃいけないのはどうしてですか?
進路指導でもよく、将来の夢を書かされます。まだそんなこと考えたくないのに。
(広島県 Hさん)
【回答】
いま、あなたは家族に養ってもらっていますか。
大人になるということは普通、自分でそのお金をどこかから持ってくるノウハウを身につけるということです。働くということは自分の労働を切り売りして、代わりにお金をもらうこと。それが最も一般的なお金のかせぎ方です。他人を働かせて、その上前をはねて稼ぐという手もありますが、これを成功させるのはなかなか難しい。外に働きに出ず、家事をする道もあります。しかし、これは働かないことではありません。むしろ終わりなき不払い労働を引き受けることだともいえます。家族は家事にお給料をくれませんからね。また、家族で働きに出てくれる人がいないとこの選択はできません。これが最初の質問への答えです。
学校は子どもをできるだけ効率のいい労働力にするための工場だという人たちもいます。もっとも、その工場もだいぶ壊れかけてきたようですね。「将来の夢」を書かせることで先生はあなたたちを工場でどう加工するか見極めているのしょうか。
あるいは、もしかすると、そんな工場から抜け出ることを、そっとすすめているのかもしれませんよ。
(ハルマサ編集長)
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戦前の日本では労働者がひどい環境で働く世界を描いた作品が多く書かれました。その中でもとりわけ迫力のあるのが小林多喜二の『蟹工船』です。おととい取り上げた雨宮処凜さんの『生きさせろ! 難民化する若者たち』を読むと、いまはまたそんな時代に似てきたように思えてきます。最近出た、桐野夏生の『メタボラ』は、いまのそんな若者たちの労働のかなしさを描いた傑作小説です。14歳が読んでも面白いですよ。
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お悩み相談室
2007.05.31
最上の悩み?
夏休みが永遠に続けばいいのに、と思ったことはありませんか?
今日はそんな相談です。
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【質問】
いつまでも今のようにだらだらと生きていきたいんですけど、どうしたらいいですか
(京都府 T 14)
【回答】
とにかくプレッシャーになりそうなもの、ストレスになりそうなあらゆるものから逃げ回りましょう。そのためには仮病、ウソ、ありとあらゆる手を使うことです。何度か書いてきたように、この社会はますますだらだら生きていることを許さなくなってきました。そんな社会に出ないですむなら、それに越したことはありません。
社会そのものから逃げるという方法もあります。40年くらい前のアメリカではヒッピーとよばれた若者たちが社会から逃れて、集団で暮らしました。日本でも何もしない、あるいはできない若者たちが「だめ連」というグループを作って話題になったことがあります。この場合、同じような生き方を選ぶ友人たちが不可欠です。要は、友人どうしでお互い助け合って、社会の動きに巻き込まれない関係をつくるということです。社会に出ても、社会の方であなたを受け入れないことだってありますから、そんな生き方があることを知っておくといいですよ。
(ハルマサ編集長)
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だめ連については『だめ!』など何冊が本が出ています。ヒッピーの先駆者であるケルアックの『路上』は社会から逃れるために旅する若者たちを描いた名作です。
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お悩み相談室
2007.05.30
勉強って役に立つの?
今日の質問は誰もが疑問に思ったことがあるだろう質問です。
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【質問】
勉強が嫌いです。受験のためだと分かってるんですが、合格するためにこんなに苦労しても、結局、将来には役に立たないんじゃないかと思うとやる気になりません。
(東京都 T)
【回答】
永山則夫という人を知っていますか。勉強もできないきびしい環境に育った彼は、4人を殺し、拘置所にはいってから猛烈に勉強しました。その最初の手記は『無知の涙』として刊行されています。永山はちょうど、10年前、死刑によってこの世を去りました。勉強することができなかったゆえに殺し、殺されたのです。
以前、この社会は戦場のようなところだと書きました。そこでは銃のかわりになるのは、自分で考える力と知識です。将来のために勉強することをおすすめします。といっても、ここでは将来のためとは「いい大学にはいる」とか「いい会社にはいる」ためではありません。生き延びるためです。殺されるよりは、勉強した方がよくありませんか。無知の涙は時に美しいのですが、かなしいものです。
(ハルマサ編集長)
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中学を出てから、職を転々とした永山則夫は、いわば今の「フリーター」のはしりです。その実態にせまった雨宮処凛さんの『生きさせろ! 難民化する若者たち』は、いままさに必死に生き延びる若者たちの姿を描き出しています。また永山則夫に関心をもったなら、『無知の涙』。また佐木隆三の『死刑囚 永山則夫』を開いてみてください。
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お悩み相談室
2007.05.29
想定外!の質問です
今日の質問は編集部としても想定外の質問でした。
同じ中学生でも、それぞれの悩み、それぞれの暮らしがある。
当たり前のことですが、考えさせられました。
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【質問】
なんかみんないろいろ悩みがあるみたいだけど、正直言って悩むことがひとつもないんです。
これっておかしいことですか?
(長崎県 S美 16歳)
【回答】
悩みがないなんて、本当にすばらしい。昔、中国には空が落ちてこないか悩みつづけた人がいました。悩みの半分くらいはそんなものです。しかもこの社会は悩みをつくりだしたり、悩みにつけこむことで成り立ってもいるようにも見えます。××でお悩みのあなた、というフレーズ、広告やCMで日に何度も目にしませんか。悩みのないあなたは悩んでいるともだちに同情してあげるくらいでいいんです。ただ残念なことに、おそかれはやかれ、あなたにも悩みはやってくるでしょう。その時、あなたは悩みのない今がどんなに幸福だったかを知ることになるはずです。
(ハルマサ編集長)
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S美さんには、現代人の悩みをはじめから越えてしまった作家・深沢七郎をおすすめしましょう。「言わなければよかったのに日記」を読むと、悩んでいるのがくだらなく思えてきます。そしてそんな境地にたったからこそ、深沢七郎は『楢山節考』のような驚くべき小説を書けたのです。
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お悩み相談室
2007.05.28
それって親友?
友だちの問題はいつも深刻です。学校の友だちなら毎日顔を合わせなくちゃいけないし……
今日の回答はちょっとシビアですが、あなたが本当に追いつめられたとき、何を大事にするのか解るかもしれません。
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【質問】
今、親友と交換日記をしているんですが、それに親友がすごくたくさんクラスメイトの悪口を書くんです。日記のほとんどが悪口の日もあるくらいです。
「こういうこと書くのやめようよ」と言ってみたのですが全然聞いてくれません。あんまり言うと怒るし。
ふたりでやっている日記なので、これがクラスの誰かに見つかったら私もハブられると思います。
ほかに親友と言えるような人もいないので、親友をやめたくはないのですが……
どうしたらやめてくれると思いますか?
(奈良県 Y子さん)
【回答】
おともだちと親友のままでいることとハブにされることのどちらがイヤですか。もしかするとおともだちはあなたを自分のものだけにしておくために、悪口を書き続けているのかもしれませんよ。まず変えなければならないのはおともだちに依存しなければならないというその関係です。交換日記をやめることです。もしくはもう悪口をやめないなら、交換日記をやめるぞ、とせまることです。おともだちは去っていくかもしれませんが、あなたの社会的な立場は守られます。おともだちの次の悪口の標的になることはたしかですが。かわりに新しいともだちができるのか、それともひとりぼっちになるのか。少なくともおともだちの奴隷になるよりはマシです。
(ハルマサ編集長)
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Y子さんには、変な友だちに悩む主人公が本当のともだちに救われることからはじまるヘッセの名作『デミアン』をおすすめします。その登場人物デミアンのような友だちは実際にはいそうにありませんが、かわりにこの小説があなたのこころをすくってくれるはずです。
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お悩み相談室
2007.05.25
部活、やってますか?
中学生になると本格的に部活が始まります。
楽しいこともたくさんあるけど、苦しい、つらいことも増えていきますよね。
今日はその中から、こんな質問にお答えします。
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【質問】
バスケ部に入っているのですが、頑張ってもレギュラーになれません。バスケは大好きだけど、ずっと補欠はつらいです。続けるか、辞めて勉強に専念するか迷っています。
(新潟県 Kさん 14歳)
【回答】
補欠のあなたは、レギュラーの子たちをまぶしい気持ちで仰ぎみてるんでしょうね。
そしてその誰かが怪我をして、かわりに自分がそのポジションにたつことを夢見たりしてるんじゃないですか。
そんなちょっと悲しい状態を、悪くいうつもりはありません。補欠という立場にいることであなたはレギュラーの人には決してできない体験をしているのです。そういう自分がいやなら、勉強に向かってはいかがでしょう。でも補欠でいつづける悲しみが、誰にも言えない不思議な楽しみに変わることもあるかもしれませんよ。
(ハルマサ編集長)
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太宰治はいわば「人生の補欠」を描きつづけた作家です。『人間失格』のような作品が読む人をへこませるより勇気づけるのは不思議です。
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お悩み相談室
2007.05.24
大人も悩んでる
今日は大人の「元14歳」から質問が届きました。
お悩み相談室はこんな元14歳からの質問も受け付けております。
どしどし送ってくださいね。
**********************
【質問】
もう大人ですが、相談してもいいでしょうか。
会社と家を往復する毎日が、退屈でなりません。外に出て積極的に人とかかわるタイプでもないので、解決方法が見つからないのですが、何かアドバイスを。
(埼玉県 Yさん 25歳)
【回答】
かつて寺山修司という人は一番、きらいな言葉として「退屈」をあげていました。退いて、屈する、なんて、本当に屈辱的だと。
でも仕事と家を往復しているということは仕事も家もあるということですね。それは、いまどき実は幸運なことです。あとは数人の友だちがいればいい。友だちが多いというのは、人がいうほどいいことでもありません。それだけつきあいが疎かになるということですし、お金もかかります。その友だちもつくることができないあなたには、究極の楽しみがあります。
それは孤独にひたることです。孤独は古来、賢い人たちにとって至上のものとされてきました。友だちに話しかけるようにあなたは自分自身と会話をしてみましょう。この時、退屈とは違う生活がひっそりとはじまるはずです。
(ハルマサ編集長)
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寺山修司の本を読んでみましょう。たとえば『書を捨てよ街へ出よう』。孤独については多くの本が書かれています。そもそも本を読んだり、書いたりということは孤独なことですからね。
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お悩み相談室
2007.05.23
戦争ってなに?
今日は、とても答えにくい質問が届きました。
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【質問】
戦争なら人を殺してもいいのはどうしてですか?
(山口県 Mさん)
【回答】
人を殺していけないのなら、当然、戦争でも人を殺していいはずがありません。ただ正当防衛ってきいたことがありますよね。日常生活の場面で本来、暴力行為は許されていませんが、相手の暴力に対抗する場合だけ許されるとされます。戦争の当事者たちも必ず、自分たちは殺したくないが、相手が殺そうとするから殺すのだ、といいます。でも本当は領土やお金、資源などをめぐって、あるいは政治のかけひきの中で戦争がおこっていることもしばしばあるのです。これはお金や力のためには人がないがしろにされることもある、という点では、社会の本質とそんなに違わないかもしれません。そんな社会という戦場にあなたたちはいつか出ていかなくてはなりません。どうか殺されませんように。そして殺しませんように。
(ハルマサ編集長)
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こんなおそろしい社会の仕組みについては萱野稔人の『カネと暴力の系譜学』が参考になります。戦争については、雨宮処凛の『右翼と左翼はどうちがう?』が、戦争に対していろいろな考え方が出ているのでためになりますよ。
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お悩み相談室
2007.05.22
恋のお悩み相談室
今回は、だれもが悩んだことがある(?)恋のお悩みです。
すごく、深刻な問題ですが、みなさんもこんな事態に陥ることがあるかも!?
心してお読み下さい。
【質問】
友だちの好きな人を好きになってしまいました。
どうしたらいいですか?
(東京都 Mさん)
【回答】
つまり友だちをとるか、その彼をとるか、ということですね。
ただ14歳の時の友だちとはいつか別れることになるのです。だから本当に好きなら、友だちを失うことをおそれる必要はありません。
もっとも告白したところで、彼が振り向いてくれないかもしれませんし、14歳の時の相手と交際したまま、大人になることも滅多にありません。
つまりどうなろうとそんなに悩むことはないんです。
(ハルマサ編集長)
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この問題はどの時代でも共通の悩みだったようで、1919年に書かれた、武者小路実篤の『友情』は、まさにこの問題を描いた名作です。いくつかの文庫で読めますし、学校の図書館にもあるはず。
でもおすすめは7月に出る橋下徹さんの新刊『友だち交渉術(仮)』。こういう「究極の選択」のとき、どうしたらいいか、具体的なテクニックを教えてくれるんですよ。
発売を楽しみにしていてくださいね!
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お悩み相談室
2007.05.21
さっそく質問が届きました!
みなさん、たくさんの質問をありがとうございます。
今日は、回答第一弾!
みなさんのなかにもこんな疑いを、持ったことがある人がいるかもしれません。
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【質問】
さいきん、テレビ番組で「やらせ」があったというニュースを見ました。みんなそれを見てから「テレビはいいかげんなことばっかり言うから、うのみにしちゃいけないよ」と言い出しました。
昨日までテレビが「いい」と言ったものをすぐスーパーに買いに行っていたお母さんもです。
じゃあ、教科書ももしかしたら、間違いが見つかったりすることあるんじゃないですか?
デタラメばっかり書いてあるような気がして、授業も先生も信じられなくなってきました。
(東京都 Nさん 15歳)
【回答】
そうです。Nさんのように疑問をもつことは実は正しいんです。人類の祖先は猿ではなくて猫かもしれません。地球は本当は火星で、1+1は8かもしれません。
では、何を信じるといいのか。
自分で本を読み、まわりの年上にきいてみることです。すると教科書が全部がデタラメでもなくって、たまにはいいことが書いてある気もしてくるでしょう。
要は、教科書とのつきあい方を自分なりに学んでみるってことです。
(ハルマサ編集長)
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ハルマサ編集長はこう言っていますが、
今回の新刊、鏡リュウジさんの
『「占い脳」でかしこく生きる』も、
読むだけで世界の見え方が変わる、不思議な本です。
今まで「不思議だな」「どうして?」と思っていた世界が
「占い」という方法を使うことで、急にクリアに見えてきます。
世の中で「かしこい大人」というわれている人たちは実は、みんな「占い脳」を使っている!
といっても過言ではありません。
知らなかったでしょ?
ぜひぜひお試しくださいね。
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ハルマサ編集長のお悩み相談室 ウイークデー 毎日更新!
日本いち(?)の世渡り上手と評判のハルマサ編集長から、みなさんの悩みを募集します。
学校のこと、受験のこと、親のこと、恋愛のこと……あなたが今、まさに困っていること、一人では消えないモヤモヤを、編集長にぶつけてみてください。
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著者紹介
金子哲雄さん
1971年4月30日千葉県生まれ。慶應義塾大学卒業後、株式会社ジャパンエナジーに入社。独立後は独自の取材と切り口で、流通ジャーナリスト兼プライスアナリストとして、TVや雑誌などの各メディアで活躍。
土屋アンナさん
1984年東京生まれ。98年より数々のファッション誌等でモデルとして活躍。女優として映画「下妻物語」等にも出演。現在はミュージシャンとしても活躍中。10年、「第3回ペアレンティングアワード ママ部門」で表彰された。
斎藤環さん(左)
1961年生まれ。精神科医。医学博士。爽風会佐々木病院診療部長。『社会的ひきこもり』『「社会的うつ病」の治し方』『家族の痕跡』『思春期ポストモダン』『心理学化する社会』『文脈病』など。
山登敬之さん(右)
1957年生まれ。精神科医。医学博士。東京えびすさまクリニック院長。『子どもの精神科』『拒食症と過食症』『パパの色鉛筆』『芝居半分、病気半分』など。
小林照幸さん
1968年生まれ。ノンフィクション作家。92年、『毒蛇』で第1回開高健賞奨励賞を受賞。99年、『朱鷺の遺言』で第30回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『ドリームボックス 殺されてゆくペットたち』など著書多数。
瀬名秀明さん
1968年生まれ、作家、薬学博士。『パラサイト・イヴ』で第2回日本ホラー小説大賞、『BRAIN VALLEY』で第19回日本SF大賞受賞。著書に『ロボット21世紀』、編著に『ロボット・オペラ』『瀬名秀明ロボット学論集』等。
あべ弘士さん
1948年北海道生まれ。25年間の旭山動物園飼育係を経て絵本作家に。代表作は『あらしのよるに』(文・木村祐一)『ゴリラにっき』など。理想の旭山動物園像を描いたスケッチが、動物園復活へ導いたことでも知られる。
田中優さん
1957年東京都生まれ。地域での脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和などの、さまざまなNGO活動に関わる。現在は「未来バンク事業組合」 理事長、「日本国際ボランティアセンター」「足温ネット」理事、「ap bank」監事、「一般社団 天然住宅」共同代表を務め、執筆や講演を中心に活躍中。親しみやすい人柄と分かりやすい解説が人気。立教大学大学院、和光大学大学院の非常勤講師も務める。著書(共著含む)に『戦争をしなくてすむ世界をつくる30の方法』『戦争をやめさせ環境破壊をくいとめる新しい社会のつくり方』『世界から貧しさをなくす30の方法』『おカネで世界を変える30の方法』(以上、合同出版)『戦争って、環境問題と関係ないと思ってた』(岩波書店)他、多数。
岩井俊雄さん
メディアアーティスト。1962年生まれ。筑波大学大学院修士課程芸術研究科修了。在学中より国内外の多くの美術展に、観客が参加できるインタラクティブな作品を発表し、注目を集める。テレビ番組『ウゴウゴルーガ』、三鷹の森ジブリ美術館『トトロぴょんぴょん』、音と光を奏でる楽器『TENORI-ON』などを手がけ、現在は書籍やブログを通して親子の創造的な関係を精力的に発信している。著書に『いわいさんちへようこそ!』(紀伊國屋書店)、『100かいだてのいえ』(偕成社)など。
>> 「ブログ<いわいさんちweb>」
武田邦彦さん
1943年生まれ。東京大学教養学部卒業。工学博士。中部大学総合工学研究所教授。文部科学省科学技術審議会専門委員。著書に『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』、『偽善エコロジー』などがある。
島田裕巳さん
1953年生まれ。宗教学者。文筆家。東京大学先端科学技術研究センター客員研究員。新宗教教団の研究をはじめ、幅広い視野から現代社会のありようを問う。『日本の10大新宗教』、『創価学会』など。
>> 「島田裕巳さんブログ」
萱野稔人さん
哲学者。いま、もっとも注目される若手論客。著書『カネの暴力の系譜学』『金融危機の資本論』(共著)『国家とはなにか』など。
上島竜兵さん
お笑い芸人。ダチョウ倶楽部メンバー。1961年1月20日生まれ。兵庫県出身。身長162cm、体重83kg。テアトルエコー養成所、青年座を経て、太田プロに所属。「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ」「志村けんのバカ殿様」など数多くの番組に出演。2006年から、志村けんが主催する舞台「志村魂」にも出演中。
>> 「ダチョウ倶楽部ブログ」
ホーキング青山さん
1973年東京都大田区生まれ。 先天性多発性関節拘縮症のため、生まれたときから両手両足が使えない。ビートたけし
に憧れ、 94年に“史上初の身体障害者のお笑い芸人”としてデビュー。お笑い活動と平行して、09年4月に「訪問介護事業所ENJOY」を開設。
>> 「ホーキング青山オフィシャルホームページ」
森達也さん
1956年生まれ。映画監督、作家。自主制作ドキュメンタリー映画 『A』、『A2』が高い評価を受ける。主な著書に『放送禁止歌』(知恵の森文庫)、『いのちの食べかた』(理論社)、『死刑』(朝日出版 社)など。
>> 「森達也公式サイト」
伊勢崎賢治さん
1957年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。東ティモール、シエラレオネ、アフガンで紛争処理を指揮。現在東京外国語大学大学院教授。著書に『武装解除』(講談社現代新書)など。
石原千秋さん
1955年生まれ。早稲田大学教授(日本近代文学)。夏目漱石から村上春樹まで、小説を斬新な視点から読んでいく仕事に定評がある。「受験国語」の解き方に関する本も多い。
豊崎由美さん
1961年生まれ。書評家。「GINZA」「TVBros.」「婦人公論」「本の雑誌」などで書評を執筆。
著書に「そんなに読んで、どうするの?」「正直書評。」、共著に「文学賞メッタ斬り」等。
池上彰さん
選挙なんて関係ないよ、というアナタ。
時代は変わった。
君の投票で世の中が変わる。その理由は本文を!
石原壮一郎さん
“ちょい大人力”は、なにかとややこしい毎日を強く楽しく生きていく
ための、頼もしい武器になってくれるはずです。
>> 公式HP「大人マガジン」
あさのあつこさん
この三人、あなたのすぐ傍らにいるかもしれません。うつむかないで、顔をあげ、視線を巡らせてみてください。
k.m.p.(なかがわみどり/ムラマツエリコ)さん
「コトバ」に助けられる、ということもある。自分だけかも、と苦しんでる人たちに、仲間がいることを伝えたい。
>> k.m.p.の、ぐるぐるPAPER
辛酸なめ子さん
女子の格差社会を生き抜くことができれば、あとの人生、人間関係がラクになります。
>> 辛酸なめ子の女一人マンション
宮嶋茂樹さん
すべての報道が真実だと思い込むな。情報は、君自身が考えて結論を出すための素材でしかないのだ。
>> 不肖!宮嶋茂樹のウェブサイト
橋下徹さん
友だちがいなくても困ることなんか、ない。でもどうしてもツライひとには人間関係をラクにする方法を伝授します。
鏡リュウジさん
「占い」が好きな人もキライな人も全員集合! 占いを使って、もっともっとかしこく生きる方法、 伝授しちゃいます。
>> 鏡リュウジ公式サイト
井筒和幸さん
世界中の人たちと仲良くするために、ちゃんと歴史を知ろう。 「知の力」ですべてが解決できるはずだから。
>> 映画『パッチギ!LOVE & PEACE』公式サイト
雨宮処凛さん
右翼と左翼、意見は違う。友達同士だってそうだ。 大事なことは、人の数だけ考え方があると知ることだ。
>> 雨宮処凛公式ホームページ