2012.03.13
日本復興コンピレーション・アルバム『Play for Japan 2012』
プー!西島です。
DJまほうつかいロングインタビュー(これは『I Care Because You Do』に通じる西島の音楽論でもあります)でもお世話になったOTOTOYによる日本復興コンピレーション・アルバム『Play for Japan 2012』がリリースされました。
http://ototoy.jp/feature/index.php/2012031101
『vol.8』のジャケットイラストと、DJまほうつかいとして『vol.11』に楽曲提供しています。
『Play for Japan 2012 vol.8』ジャケットイラストは現在「モーニングツー」に連載中の『すべてがちょっとずつ優しい世界』に通じる世界。作品から森のおばけ&音楽家が登場しています。
『Play for Japan 2012 vol.11』に提供した曲は「All those moments will be lost in time」。DJまほうつかい×suzukiiiiiiiiii × youpy × 柿本論理(mochilon) × 伊藤拓史による昨年12月7日京都メトロ「SOUNDROOM KYOTO」での演奏です。
I've seen things you people wouldn't believe.
Attack ships on fire off the shoulder of Orion.
I watched C-beams glitter in the dark near the Tannhauser gate.
All those moments will be lost in time, like tears in rain.
Time to die.
おれはお前ら人間には信じられないものを見てきた
オリオン腕で燃え尽きた戦闘艦
タンホイザーゲートの暗黒できらめくCビーム
そんなものすべてが時の彼方に消える
雨の中の涙のように
死ぬ時が来た
これは映画『ブレードランナー』で逃亡者たるレプリカントの最後の一体が死ぬその直前につぶやいた言葉。僕はこの映画が好きで、この印象深い台詞から曲を作りました。「All those moments will be lost in time」は西島が譜面で作曲した初めての曲で作ったのはたぶん2009年。震災と無関係に作った曲ですが、今回のコンピレーションにふさわしいと考え、京都でのライブ演奏版を収録しました。
被災地支援で「Time to die.」はよくないかもしれないと一瞬思いましたが、僕は「All those moments will be lost in time, like tears in rain. 」という台詞を聞くとき、儚さや無常感と同時にポジティブな響きも感じます。
レプリカントという人造人間は地球外の惑星で奴隷のように酷使され、そこで果てていきます。しかし映画に登場しラストシーンまで生き残るレプリカントは、少なくとも地球まで密航して街の中で息をひそめ、絶望的状況の中で人生の意味を見出すべく、ぎりぎりまで頑張った。あがいてじたばたした末に、「All those moments will be lost in time, like tears in rain. 」という境地に達したんだろうなと、僕は考えています。映画の切ないラストシーンを思うとき、このサバイブ感というか悪あがき、がんばりを忘れない方がいいんじゃないかと僕はつい先日思い出しました。レプリカント、気合い入ってますね、本当に。
そんなわけで僕は、「Time to die.」とは「やるだけやったよ、ははは」くらいな意訳がふさわしいのかなと最近思っています。本業たるマンガだとチャリティー企画にについて考え抜いた末に、結局断るパターンが多いのですが、DJまほうつかいだと素直に参加できて不思議です。以上、長めのセルフライナーノートでした。
Time to die.
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://mag.kawade.co.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/593