東日本大震災の被災者を対象に、「大人の塗り絵」体験教室を開催しました。
2011年12月2日(金)〜3日(土)の日程で、大人の塗り絵体験教室を行いました。
2日は岩手県釜石市・平田地区仮設住宅にて午後に1回、3日は宮城県気仙沼市・
五右衛門ヶ原仮設住宅にて午前と午後の計2回、開催いたしました。
講師は、風景画の塗り絵を数多く手掛けている門馬朝久さん。今回は奥様とご一緒に
ボランティア講師としてご同行頂きました。
東日本大震災のあと、打ち合せなどでお目にかかるたび、自分にもできることがしたい、
とおっしゃっており、今回このような形でご協力頂くこととなりました。
今回のためにそれぞれの開催場所にあわせた岩手県、宮城県の風景の塗り絵をオリジナルで
制作して頂いたものを教材とし、クーピーペンシル12色セットで彩色しました。
1日目の釜石は、よく晴れていて、冷たい空気がピリッと気持ちを引き締めてくれたように思います。
こちらでの教室開催にあたって、岩手の書店さんである東山堂さんがご尽力くださいました。
デイサービスに通っている方などを中心として、20名あまりの方にお集り頂きました。
その中には98才の方もいらして、昔話をしながら塗り絵に取り組んでおられた模様。
みなさん本当に熱心にご自分のペースで塗っていて、あっという間の2時間でした。
最後に出来上がった作品をホワイトボードに展示すると、「私が一番上手!」との声が
あちこちから…。同じ絵柄ながら、色遣いやタッチなどで雰囲気がけっこう変わります。
どれも素敵な作品に仕上がっていました。
2日目の気仙沼は、この時期にしては暖かく、朝からシトシト雨が降っていました。
午前中、「テニスコート集会所」で開催した塗り絵教室は、畳のお部屋に座布団で
アットホームな雰囲気。
この教室より、シンセサイザーを演奏する藤沢さんが合流してくださり、教室のあいだ
じゅうバックミュージックが流れ、皆さん塗り絵を塗る手もはかどったようです。
噂を聞きつけてくださったのか、途中参加の方もちらほら見え、集会所はぎゅうぎゅう
でしたが、何とかスペースをつくり、皆さんに参加して頂くことができました。
塗り絵教室を終えたあとは、お茶にお菓子をつまみながら、みんなでクリスマスソング
を歌い、一足はやめのクリスマスパーティになりました。
午後からは、「野球場集会所」にて開催しました。
午前中よりは広い会場で、椅子席も用意することができましたが、雨が本降りになって
きてしまったこともあるのでしょうか、午前中よりは参加者の方も少なめです。
しかしながら、皆さん大変熱心にとりくまれて、門馬先生にも「木にピンク入れちゃったけど
これで本当にいいの?」「私の、何だか色がぼや〜っとしてるんだけど?」などと質問し放題、
ちょっとしたコツを教えてもらい、楽しんで頂けたようでした。
実はいまから約2ヶ月前、この同じ集会所にお邪魔したことがあったので、
お元気なお顔を再び拝見できた方もいらっしゃいました。
「久しぶりに楽しい時間だった〜!」「続きちゃんとやってみるからね!」と
帰り際に皆さん声をかけてくださり、とても嬉しかったです。
あっという間の2日間でしたが、皆さんと一緒に塗り絵をすることができましたこと、
深く印象に残るひとときでした。
季節は秋から冬に変わり、寒さが本格的になるにつれて室内にいる時間も多くなりますが、
時には誰かと塗り絵をしてみたり、一緒に楽しむ時間を過ごすのもよいかもしれません。
門馬さんの新刊、2011年12月刊行の『大人の塗り絵POSTCARDBOOK 心に残る東北の風景編』と
2012年1月刊行予定『やさしい大人の塗り絵 心のふるさと東北の風景編』の売上の一部を使い、
被災者の方々へ向けて、今回の活動の他、今後もさまざまな活動を行ってまいりたいと思います。